プロンプト販売・GPTs作りは稼げるのか、ブームの内側を見てきた
プロンプト単体を売る商売は、もう厳しい
『よく効くプロンプトを作って売れば不労所得になる』という話を一時期よく見ました。結論から言うと、プロンプト単体を商品として売る商売は、2026年の今かなり厳しくなっています。理由は単純で、優れたプロンプトもAIに『こういう用途のプロンプトを作って』と頼めば、それなりのものが無料で出てくるようになったからです。
文字列そのものに希少性がなくなると、コピーもされやすく、価格は下がる一方になります。マーケットを覗くと、似たようなプロンプト集が大量に並び、単価も下落していました。ブームの初期に売り抜けた人はいたようですが、今から同じ土俵に乗るのは、すでに埋まった席を探すようなものだと感じました。
稼げているのは『プロンプト』ではなく『成果』を売る人
では誰も稼げないのかというと、そうではありません。続いている人がやっているのは、プロンプトという文字列を売ることではなく、それを使って出る『成果』や『仕組み』を売ることでした。たとえば、特定業種の文章作成を丸ごと効率化するテンプレート一式と使い方ガイド、導入サポートまでをセットにして提供する、といった形です。
GPTsのようなカスタムAIも同じで、『作って公開して終わり』ではほとんど収益になりません。効いていたのは、特定の業務に深く特化させ、それを必要とする相手に直接届け、使い方まで面倒を見るやり方でした。つまり中身は、AIの皮をかぶった『業務改善の代行・コンサル』に近い。文字列ではなく、相手の課題解決を売っている人が残っています。
ブームの言葉に乗るときの危うさ
この分野で気をつけたいのは、『プロンプトで月◯万円』『GPTsで自動収益』といった煽り文句の多くが、その手法を教える教材や講座を売るための入口になっていることです。稼ぎ方を売って稼ぐ構造そのものが悪いとは言いませんが、再現性の根拠が薄いまま高額な情報商材に誘導されるパターンには注意が要ります。
見分け方として有効だったのは、『その人自身が、教える以外の方法で実際に稼いでいるか』を確認することでした。手法を売ること自体が主な収入源になっている場合、その手法の実需はあまり期待できません。当サイトでも触れていますが、簡単・誰でも・即金を強調する話ほど、一歩引いて見る癖をつけたほうが安全です。
それでも残る、現実的な入口
地に足のついた入口もあります。自分が普段の仕事で使っている業務知識と、AIを組み合わせる方向です。経理なら経理の、採用なら採用の現場感を持つ人が、その業務に効くAIの使い方を仕組みにすると、同業者にとっては値段以上の価値になります。汎用的なプロンプトには出せない、現場の機微が乗るからです。
この場合、売り物はプロンプトでもGPTsでもなく『あなたの業務知識 × AIの使い方』というパッケージです。文字列はいくらでも複製されますが、特定領域の理解と運用ノウハウは簡単には真似されません。差別化の源泉を、AI側ではなく自分の専門性側に置けるかどうかが分かれ目でした。
始めるなら、まず自分の業務で一つ作る
これから関わるなら、いきなり売る前に、自分の仕事の面倒な作業を一つAIで効率化する仕組みを作ってみるのがおすすめです。自分で使って本当に役立つものは、同じ悩みを持つ人にも刺さります。逆に、自分でも使わないプロンプトを売ろうとしても、相手には見抜かれます。
プロンプト販売・GPTs作りは、ブームの言葉だけ追うと消耗します。けれど『AIを使った業務改善を、必要な人に届ける』という本質に立てば、まだ十分に成立する領域です。売るのは文字列ではなく、相手の手間が減る結果だと捉え直すところから始めるのがよさそうです。


